この溺愛、誰か止めて下さい!

学校から出ようと、門に向かっていると


やけに校門の前に人が集まっていることに気づく。


なんかすごい人集まってるんだけど、一体何ごと。


幸人と人だかりの隙間から、騒ぎの原因を覗き見ると、
そこにはうちの制服、いわゆるブレザーではなく、学ラン姿の男の子が立っていた。



豊崎君?!



騒ぎを作っている原因は豊崎君だった。


まさか豊崎君がいるとは思わず、とっさに覗いていた顔を一瞬で引っ込める。

なんでこんなところに豊崎君が。


とりあえず、今幸人と一緒にいる状態で会うのはまずい。



「ゆ、幸人、早く帰ろ」


「なに焦ってんの」


「焦ってなんか………」






「星菜ちゃん!」



幸人の背中を押しながら、豊崎君にバレないように学校を後にしようとする作戦は見事失敗したみたいで



豊崎君のあたしを呼ぶ声が聞こえた。



「……豊崎くん」



豊崎君はまっすぐにあたしを見ていたけど、豊崎君だけではなく、さっきまで豊崎君の周りで騒いでいた女の子たちから一斉に視線を浴びる。


もちろん、あたしの後ろからも、恋愛大魔王の視線がグサグサ刺さっている。


い、痛い。