この溺愛、誰か止めて下さい!

「なんで場所変えるの?ここですればいいじゃん」



そう言いながら掴んでいる幸人の手にさっきよりも力がこもるのがわかった。


幸人さん、あなた笑ってるつもりかもしれませんけど、目が全然笑ってないんですけど。


怖いんですけど!



「いや、ここだと騒がしいし」


「そう?放課後でそんなに人いないから静かな方じゃない?」


「いやいや、結構生徒いるよ?」


「もしかして、僕に訊かれたくないような電話なの?」



そういいながら、徐々に距離を詰めてくる幸人から逃げるべく、顔を逸らしながら後退りする。


ていうか、この人ここが学校だってわかってんのかな。



あまりにも電話に出るのが遅かったせいか、気づくと着信音が止まっていた。