♢ 翌朝、登校すると井𡈽くんがいつものように昇降口に立っていた。 「おはよう」 それは夢と同じ笑顔で、私はつい目をそらす。そしてふと昨夜のメッセージを思い出した。 もちろん犯人の証拠はどこにもない。それなのに、なぜか私は彼の顔を見た瞬間に思ってしまった。 あのメッセージを送ったのは、この人だと。 根拠なんてない。ただその考えだけが、教室へ向かう廊下を歩く間も頭から離れなかった。 首筋が、やけに寒い。