花囲い

 月曜日、私は学校を休んだ。極度の睡眠不足と食欲不振で起き上がれなかったのだ。

 母には頭痛がするとだけ伝えると、「無理しなくていいわよ」と言ってあっさり仕事へ行った。

 午後になってスマホが震える。一瞬ビクリとするが、相手は美咲だった。

『大丈夫?』
『頭いたいって聞いた』

 私は返信しようとして、やめた。大丈夫ではないし、嘘をつく気分ではない。しばらくすると、また通知が鳴る。

『井𡈽くん、すごく心配してたよ』

 私はスマホを伏せ、布団を被る。その名前をもう見たくなかった。

 そのままうとうとしていると、すうっと体が軽くなり、いつもとは違う夢の見方をした。

 最近ずっと箱に詰められていた私の体は自由を取り戻し、真っ白な花畑にひとりで立っている。