学校の人気者は私だけを離してくれない【大学生編】

###No.2 忘れらない人


「……彩乃。」
冬人がその名前を口にした瞬間、紗羅の胸がざわついた。
「久しぶり。」
目の前の女性――彩乃は優しく微笑む。
「同じ大学だったんだね。」
「ああ。」
冬人は短く答えるだけ。
その空気に、紗羅だけが入れないような気がした。
「冬人、この子は?」
彩乃が紗羅を見る。
「彼女。」
冬人は迷うことなく答えた。
「神宮寺紗羅。」
「はじめまして。」
紗羅は頭を下げる。
彩乃は一瞬驚いた顔をしたが、すぐ笑顔になった。
「そっか……彼女できたんだ。」
その笑顔が少しだけ寂しそうに見えた。