暗闇に爪を立てる

天井が波打つ。
水溶性の幻想と旅に出た朝、
意味を求めすぎて視野狭窄に陥り、
浅瀬で首をかしげながら倦怠を味わった。

発芽したパラソルと水面越しに目が合う。
恨めしげで、今にも私を呪い殺しそうな目だった。

必死にオルゴールの猿真似をする十四才の少女の影が
果実の腐臭で弛み、
泥を注いだ喉笛にプロペラが咲く。
厭世を着飾って飛び立ちなさい。

婚礼を浴びたら、
クラゲみたいな格好をしたマダムは洗濯物にキスをして、
私は指先に残った古本の匂いを慈しみながら噛みちぎる。
遊歩道で踊るぬっぺふほふの刺繍は、
バニーのエンジン音でひっくり返り、
砕け散った硝子は
つまらない詩をいつまでもいつまでも暗唱している。
感染した欠伸に悩まされながらも、
便箋に手錠をかけよう。

だって私はもうじき、私を取り戻すから。