真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 次の休みになって、私と大一はまたデートすることになった。

 あれから家に帰り、よくよく思いを巡らせると、自分は良樹先生にプロポーズされてしまったのだという事をやっとちゃんと納得し、何とも言えない複雑な気持ちになる私だった。

 次の日保育園に行っても、私と良樹先生は普通に仕事上の同僚としていつも通り接している。
 
 早くはっきりと断らなきゃと思いながらも仕事中は忙しかったり、タイミングを逃したりで中々話しかけられず、結局年末年始の休みに入ってしまってまだはっきりと断れずにいた。

 ちゃんと断らなきゃ。そう思うのに中々断れず、まるで自分が後ろめたいことでもしているように、大一に申し訳ない気持ちになる自分に嫌気さえさしていた。

 「最近何かあった⁇」

 言葉も少なめで、女性の気持ちには鈍感なはずの大一から咄嗟に言われてしまい、私はハッとしてしまう

 「えっ⁈何で⁈」

 私は思わず声が裏返ってしまった。これでは何かやましい事でもあるみたいだ。

 「いや、だって明らかにボーッとしてるし、大丈夫⁇仕事で疲れてるんじゃないの⁇」

 大一が心配そうに私の顔を覗き込む。鈍感な大一が心配するくらい私は普通に振る舞えていないらしい…。
 
 だ、だめだ。ボーっとしては…。私は心配させてはいけないと気を持ち直した。

 「最近年末で仕事忙しかったからそれでかな⁇」

 ハハハと笑って誤魔化し、私達は手を繋いで神社で初詣をした。お正月なので、神社は参拝する人手で賑わっている。

 パンパン⁉︎と2人で手を叩いてお参りし、今年も一年大一とずっと一緒にいられますようにと私は神様に切にお願いした。