真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 フレンチといってもドレスコードをしなくてもいいようなカジュアルなお店だ。
 小さいけど人気店で、一度行ってみたかったお店を大一が予約してくれたのだ。

 「お店の予約とかありがとう。一度来てみたかったから嬉しい。」

 私は素直に気持ちを伝えた。このレストランの予約も中々クリスマスには取れないのに、何ヶ月も前から大一が予約してくれたのだ。

 「いや。それくらい。クリマスなんで。」

 やっぱり言葉が少ない大一だけど、これは照れていて嬉しいのかな⁇と少し気持ちが読める気がした。

 クリスマスのディナーはとても美味しかった。私は相変わらず幸せな気持ちになり、「美味しい。幸せー。」とつい口癖のように言葉に出すと、大一も笑って嬉しそうだった。
 
 私達はこれでいいのかもしれないと何となく思った。2人でどこかに出かけたり食事をして、私は幸せーって口に出して小さな幸せを見つけて、それを見て大一が笑って嬉しそうで…。
 
 それが私達のスタイルで、付き合い方で、それでいいのかもと何となく思ってしまった。

 だから、このままでもいいか、それ以上はなくてもいいかと1人思いを巡らせて納得するのだった。