真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 何⁇この状況は⁇私は軽くパニックになった。みんなは多分ポカーンとして唖然としてしまっている。
 そんなみんなをよそに長内さんは黙々と進み、私をテントの下まで運んだ。

 「お、長内さん⁉︎私は大丈夫ですよ⁉︎転んじゃっただけだし、自分で歩けるんで⁉︎」

 私は若干抵抗し気味に暴れてしまった。

 「暴れないで、ちょっと黙っててください。」
 
 そう言った長内さんは耳まで真っ赤だ。もしかして長内さん照れてる⁇
 ハハハ。私は笑ってしまった。
 
 「笑い事じゃないんで。ていうかどうしてあなたはいつも俺が見張ってないと何かやらかすんですか⁇」

 はぁ、それはどうも…面目ない…。

 「すみません…。」

 私はなぜか素直に謝る形となった。何で私が謝っているんだろう…。
 
 「やっぱり俺がいないとダメですね。」

 ボソッと言った言葉に長内さんの気持ちが伝わってきたような気がした。

 それから私はテントの近くの椅子に下ろされ、挫いた右足を手当てしてもらい、その手際の良さに驚くのだった。
  
 「凄い。手際がいいですね。」と思わず口に出すと、「一応救命士の資格もあるので」と言って手当してもらう私。

 「有難うございます。」言うと、「いえ。」と言って照れたように去っていってしまった。