真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 そんな事を言っても、私の恋愛経験値はないわけではないが、確実に0に等しい…。テストで言ったら確実に赤点だろう。
 中学の時はおろか、高校でもいいなーと思う男子はいても、自分からは告白できず、淡い恋心を抱いたまま叶わずに卒業し、短大は女子ばかりで出会いもなく、結局社会人になるまで私に色恋沙汰が起こる事はなかった。
 つまり5年付き合った慶太が初カレだったのだ。そんな私に恋愛のあれこれを求められても、分かるわけがない。

 お酒が入っていたから自分でも信じられないくらい大胆に振る舞ってしまったようだが、シラフだと自分から何かを積極的に起こせるタイプではないのだ。

 昔の自分を回想する私に対し、歩美は何かを閃いたようだ。

 「それならじゃあバーベキューだ。」と1人納得したように息巻き、電話先で盛り上がっている。

 「また出かける系⁇何かまた裏目に出るように思えてならないんだけど⁇」

 私は悪い予感しかないバーベキューに不安を募らせる。海もそうだが、歩美はいつも言うことが急で驚くことばかりだ。
 その行動力にいつも感服だが、大体私が付き合って振り回されるというオチがついてくる。
 今回も私と長内さんをくっつけようとしてくれているのだろうが、うまくはいかない気がしてならない…。

「まあいいけど、、多分うまくいかないと思うよ⁇」」

 結局私は歩美に押し切られる形となり、2週間後キャンプ場でバーベキューをする事になったのだった。