真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 まあとりあえず向こうはもう私の事は知らない人になってるみたいだから気にしなくていいかと言い訳をしてみるけれど、本当は長内さんが気になってしょうがない…。

 せめて一言お礼くらいは言いたかったな…。まあお互い忘れようって事になったんだから、私もいい加減引きずってないで仕事に集中しなくちゃ…。
 私は仕事仕事と自分に言い聞かせ、仕事に専念することにした。

 「今日は深田消防署から、消防士さん達が来てくれました。みんなでご挨拶しましょう。

 「消防署の皆さん、今日一日宜しくお願いします。」

 1日消防体験は滞りなく行われた。結局私と長内さんは特に会話を交わす事なく、誰がどう見てもお互い知らない人というスタンスを完璧に通して何事もなくお互い仕事に専念した。

 消防士さん達の話を聞いたり、放水訓練を見学したり、消防車と救急車の中を見学させてもらったり、消防士さん達と写真を撮ったり、子ども達は楽しそうだ。私は子ども達の楽しそうな姿が見られて嬉しくなった。

 消防体験も終盤に差し掛かり、お世話になった消防士さん達に挨拶することになった。

 「今日1日お世話になった消防士さん達にお礼を言いましょ。」

 「深田消防署の人達、今日一日有難うございました。」

 有難うございましたと言って一日消防体験は滞りなく終了した。
 こんなものかと思ったけど、そうだよな仕事だもんなと思い直し、私は片付けを手伝う事にした。