真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 「家の母親は昔からあんな感じだから。昔から1人で明るくてお喋りで、1人で喋ってて、男はつまんないっていつも言ってたから、喋れて嬉しいんだと思うよ。」との事だ。

 「ハハ。お母さんに家にずっといてって言われたよ。確かに長内家の男の人たちはみんな静かだもんね。」

 「男兄弟なんてこんなもん。昔はよく喧嘩したけど、ある程度になったら全然話さないくらい。」

 成程と私は納得した。家とは違うんだなと自分との違いを比べてしまう。

 家の弟なんて昔からお喋りで、花凛花凛て呼び捨てで私の後についてきてたし。単にあいつがお喋りなだけなんだな。

 「兄弟は兄弟でも色んな姉兄がいるんだね。」

 ふぁー。言ってて何か眠くなってきてしまった。大一が隣にいるからか⁇緊張の糸が解けて急に睡魔が襲ってきたからか⁇はたまた長崎までの旅疲れなのか⁇
 温もりに安心して、私は大一に抱きついていつの間にか眠ってしまったらしい…。

「寝てるし。動けないし。これじゃ俺が寝られないっつうの。まあいいけど…。」

 花凛ありがとう。遠くで大一が何か言っているような気がしたけど、私はぐっすり心地よく眠っていて、そんな言葉が届くわけもなく、日頃の疲れもあって、いつになく良く寝てしまったらしい…。

 気付いたら朝日が差し込む朝だった。