真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 行為が終わり、俺はいつも思ってた事を聞いてみた。口下手な俺はあまり自分から積極的に話せず
端的になってしまう…。でも今日はすんなり聞く事ができた。

 「あのさ、いつも思ってたんだけど、俺といてつまらなくない⁇

 素朴な質問だった。長内くんといてもつまらない。昔少しだけ付き合った彼女に言われた言葉だ。

 「前も言ってたけど何で⁇」

 花凛が首を傾げて不思議そうに聞いてきた。

 「昔付き合った彼女に言われたから。俺といてもつまらない。俺には人を幸せにする事はできないって…。」

 ショックだったけどその通りだと思った。俺には彼女を喜ばせるような楽しいことも言えないし、歯の浮くような台詞も何一つ言えない。

「んー⁇確かに大一はあんまり喋るほうじゃないし、何考えてるのかたまに分かりづらい時もあるけど、別につまらなくないよ。大一が喋れなければ私が喋ればいいし、照れてるのとか揶揄うの面白いし。それに、私今幸せだし。」

 そう言って花凛は満面の笑みで笑った。

 あーあの時と同じだ。あの初めて会った夏の日もそうだった。あの日からきっと俺は君には敵わないんだ。陽だまりみたいに明るい優しい君には…。


 「一緒に暮らさない⁇」

 俺は自然と言葉が出ていた。