真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 「それは何かの誤解じゃないのか⁇花凛ちゃんに距離を置きたいって言われるような事何かしたんじゃないのか⁇」

 宮内さんにそう言われても俺には心当たりが全くなかった。確かに疑うような信じていないような事は口に出してしまったけど、距離を置きたいと言われるよう事をした覚えはない…。

 「考えたけど、この前のこと以外、何も思い当たる事はないんですよね…。」

 そうか…と言って腑に落ちなそうに考える宮内さん。

 「とりあえず直接会ってちゃんと話をする事だ。お前が連絡できないなら俺が花凛ちゃん呼び出してやる。」と言って俺と花凛と歩美さんと宮内さんの4人で会うセッティングをし始めた。



◇◇◇



 そして現在に至る…。



 「酒は止めとけ。」

 そう言ったのにグビグビ酒を飲み始めた花凛。俺が止めるのも聞かずに酒を飲み続けている。

 あーあ、そんな飲み方して。案の定目が座り始めていて、自分を見失っていた。

 「本当に止めとけ。」

 俺は飲む手を止めようと花凛の手を持って静止した。

 「うるさい。バカ大一。」と言って花凛はまだ飲み続けている。

 バカ大一って…ハーまたあの時と同じになるのか…。俺はあの夏の日を思い出して少し気が重くなった…。

 「おい大一。この浮気者。私がプロポーズはっきり断らなかったからって女の子家に連れ込むのか⁉︎」

 もう私の事はいらないのか。とくだを巻きながらまた酒を一口飲み、花凛は訳のわからない事を話し始めた。

 「はっ⁈浮気って何だよ⁇俺浮気なんかしてないし…。」

 俺は身に覚えもない事を言われて言い返し、酒を一口飲んだ。

 「嘘つけ。私はこの目で見たんだから⁉︎私が寮まで会いに行ったら若い綺麗な女の子と部屋から出てきたくせに⁉︎お替わり。もう一杯⁉︎」と言って花凛はまた酒を飲もうとしている。