真夏の一夜は恋の始まり(新装版)

 暑い夏の始まり。ギラギラ照りつける太陽。甘い夏の夢のような一夜⁇
 起きたらイケメン男子が隣にいて⁇隣にいて⁇

 なのになぜか重いスーツケースを引きながら、明らかに動揺して逃げる私。

 どうしよう⁇どうしよう⁇これはどうしたものだろう⁇

 「ちょっと待って。待ってって」
 
 私を追いかけてくる昨日知り合ったばっかりの男の人。なぜか逃げる私…。
 
 何で⁈何で⁈何でこんな事になっちゃったの⁈



◇◇◇



 遡る事1ヶ月前…。


 「花凛《かりん》あのさ、俺たち別れない⁇俺たち付き合っててもマンネリ化してるしさ。そろそろ別れ時だと思うんだよね…。」

 そう言って別れを切り出したのは、私が5年付き合った彼氏の深町慶太《ふかまちけいた》だ。聞き慣れた声のトーンであっさりと別れを切り出され、私たちの5年間は幕を閉じた。
 
 思えば付き合い始めたのはまだ20そこそこの時だった。保育士の資格をとった私は友人の紹介で慶太と知り合った。
 すぐに意気投合し、付き合い始めるまで1ヶ月とかからなかった。
 最初の2年はラブラブだった。結婚を意識したこともあったし、そろそろプロポーズなんて少し心弾ませた時期もあった。
 でも、そう思っていたのは私だけだったらしい…。

 私の名前は木所花凛《きどころかりん》。今日5年付き合った彼氏に振られました…。