余所者-よそもの-【 3 】



だから、言って。

早く、言って。


ユキが、私を追いかけてこられなくなるほどの。


そんな、とびっきりの嘘を――……





「ユキさんじゃ、私を守れっこありません」


「なん……で」


「だって、ユキさんには何もないじゃないですか。権力も、地下の売人に対抗できる力も。何ひとつ、シトウには敵わない」


「やめろ……」






「ユキさんじゃ、無理」





「………」


繋がれていた手が、力なく、解けた。


私は逃げるように三歩、後ろへ後ずさる。





ユキから目を逸らした。



――『私……これからもAnBarに居たいです』

――『かぁこは、AnBarに居たいの?』


うん。

AnBarが、大好き。


――『何かあっても、気付いたら帰ろうってなるんです』

――『帰る場所だから』

――『俺は店をつくっただけ。そこをお前が、居場所にした』


何度も私を安心させてくれた温もり。

ゆっくりと流れた愛しい時間。


大切な、私の居場所。