「……っ」
途端、――ぴり、と痛みが走った。
思わず歪めてしまった私の顔を見たユキは、その視線を手元に落とす。
「………」
私のシャツの袖をめくり上げたユキの手が、震える。
「な……んだ、これ……」
私は腕をひっこめようと、引っ張った。
けれど、彼は強く握ったまま、離してくれなかった。
「なんだ、これ!!!!」
ユキは取り乱したように、怒鳴った。
「……これ……は、」
彼が見ているのは、赤紫色に染まった、私の手首。
――シドに強く拘束されたときについた、痕だった。
ユキは酷い表情で私を見た。
今にも泣き出してしまいそうなほど歪んだ顔で、私の瞳を射貫いてから、
「………」
気が付いたように、首筋に目を落とした。
「……やめて」
ユキの手が、私の長い髪を肩から払う。
「……見ないでっ」
私がシャツの襟首を引っ張って隠すよりも早く。
「………」
ユキに、見つかった。
彼が目に映すのは、首筋にあるたくさんの赤い痣と、噛み痕。
シドがベッドの上で私に刻んだ、所有のシルシ。


