余所者-よそもの-【 3 】




「……っ」

途端、――ぴり、と痛みが走った。


思わず歪めてしまった私の顔を見たユキは、その視線を手元に落とす。


「………」


私のシャツの袖をめくり上げたユキの手が、震える。



「な……んだ、これ……」



私は腕をひっこめようと、引っ張った。

けれど、彼は強く握ったまま、離してくれなかった。




「なんだ、これ!!!!」




ユキは取り乱したように、怒鳴った。



「……これ……は、」



彼が見ているのは、赤紫色に染まった、私の手首。


――シドに強く拘束されたときについた、痕だった。



ユキは酷い表情で私を見た。

今にも泣き出してしまいそうなほど歪んだ顔で、私の瞳を射貫いてから、


「………」


気が付いたように、首筋に目を落とした。



「……やめて」



ユキの手が、私の長い髪を肩から払う。



「……見ないでっ」



私がシャツの襟首を引っ張って隠すよりも早く。


「………」


ユキに、見つかった。



彼が目に映すのは、首筋にあるたくさんの赤い痣と、噛み痕。


シドがベッドの上で私に刻んだ、所有のシルシ。