周囲の音が、一瞬で消え去る。 ユキの濁りのない透き通った瞳を見つめたまま、呼吸すら忘れた。 ただ彼の言葉に喜ぶように。 自分の心臓の音だけが、とくん、とくん、と、内側で響く。 「かぁこ。お前とずっと一緒にいたい」 その眼差しに、全身から力が抜けそうになる。 ユキは『欲しい』と求めるように、そっと私の手を引っ張った。 「………」 「………」 ゆっくりと近づく、私たちの距離。 このまま、委ねたい。 全部忘れて、この人の優しい手を握り返して。 その胸に、飛び込みたい。