「………」
彼の長いまつ毛が震えていた。
真ん中にある薄い瞳が、グラグラと揺れだした。
「行くな」
囁くような声だった。
だけど呟くなり、正気を取り戻したように目に力が宿り、言葉の輪郭をしっかりとさせた。
「行くな。かぁこ」
二度目は、力強い声だった。
裏腹に、私の両手を包むユキの手は、
……どこまでも、優しく、温かい。
「俺が守りたい」
「………」
「守るから。お前のこと、どんなことからも」
私は伝わってくる熱を払うように、首を横に振った。
「ユキさん。私は……」
「好きだ」
「………」
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