余所者-よそもの-【 3 】



「どうして……こんなことするの」


シドは私の行動を咎めるでもなく、ゆっくりとした仕草で煙草を吸い込んでいた。



「何度も同じことは言わねぇ」

「………」

「お前を奪う場所は、消す」

「………」

「存在ごと潰してやる」



理解が出来ない。

シドの言ってることの、何ひとつ。


それでも本気で言っていることだけは伝わってきた。

だからこそ、血の気が引いた。



ふいに、何度も何度も聞いた千景の言葉が頭をよぎる。

――『アイツ、狂ってる』



ガタガタと、身体の震えが強まっていく。



「怒るなよ」


シドは私の髪を撫でた。


「何が不満だ」


なんてことないような仕草。

私を優しく抱き寄せる手つき。


そのどれもが、かえって底知れない恐怖を呼び起こす。