余所者-よそもの-【 3 】


――――……
――…



――キン。


静まり返った部屋に、ジッポライターの音が虚しく響いた。

煙草に火がつき、白く重い煙がゆったりと立ち上った。


重い身体を、ゆっくりと起こす。


「わたし……帰る」


「………」


返事はない。


床に散らばった服をかき集め、肌を隠すように身に着けた。

けれど指先がガタガタと震えて、シャツのボタンがうまく留まらない。


「………」


シドが床にしゃがみ込んだ私の前にやってきた。


煙草を口に咥えながら、上手くできない私の代わりにボタンを留めた。


「………」


「どこに帰る」


どこに、って。

今更そんなことをどうして尋ねるんだろう。


「……An――……」

「言ったろ」

「……なに」

「俺から離れるなって」


さも当たり前の話のように、平然とした顔をしているシド。


私には、意味がわからない。