痛んだ胸に、大きく息を吸い込めば。
首に浮き上がったすじを唇でなぞられ、胸まで下りていく。
「……どうして」
「………」
「こんなことしなくたって、そばに……」
「足りねぇんだよ、それじゃあ」
「何が足りないの……?」
「お前には、俺だけでいい」
私を見下ろす瞳は、壊れてしまいそうなほど苦しそうだった。
震えるその声だって、今にも壊れてしまいそうだった。
「そうすれば他の誰にも、壊されずに済むだろ」
「………」
「俺だけ……見てろ」
私には、わからなかった。
この傷だらけの男を、どうしてあげればいいのかが――……


