余所者-よそもの-【 3 】





「シド。私は、シドを一人にはしない」



視線を合わせないまま、伝えた。



「だって、シドは……あの時の私を、一人にしなかった」


タカが死んだとき。

彼が立ち上がらせてくれたから、今がある。


だから今度は、私の番。


「だけど、」


シドが私の顎をそっと掴んで、正面を向かせる。

強引に交わされた視線に、それでも私ははっきりと言葉にした。



「こういうことは、しない」


そばにいることと、体を許すことは違う。



「……私は、カエデさんじゃないよ」


私は、彼女の代わりにはなれない。


向き合う私に、シドはまっすぐに視線を絡めたまま、静かに返事をする。


「ああ」


――直後。


「……っ」

逃げる暇もなく、唇を塞がれた。


「お前は――」


強引に奪われる、息。

重なり、混じる熱い吐息の中で、シドが低く囁く。


「カエデじゃない」

「……シ、ドっ」



「だからだ」



逃げても、逃げても。

容赦なく、何度も唇と吐息を奪われた。