余所者-よそもの-【 3 】




「悪かったよ」



シドの片腕が、私の頭をすっぽりと包む。

耳元に打ち付けられる切なげな声に、私はようやくまともに呼吸をすることができた。


「なにが……?」

「街で、お前を殴った」

「うん」

「あのとき俺が手放したから」

「………」


「そのせいで、壊されちまったんじゃねぇかって」



そう言うと、シドは枕の横に片腕を立てて、私を真上から見つめた。

鼻と鼻が触れる距離。

熱く湿った瞳をしていた。



「今度こそ、守るって決めたのに」



独り言のように呟くと、シドは目を伏せた。

私の唇に視線を這わせてから、ゆっくりと近づいてくる。



「……シド、」

私は顔を背けた。

縋るように迫ってきた唇を、拒んだ。


シドは、寂しいんだ。

カエデを失った心の傷が、癒えてない。