余所者-よそもの-【 3 】




「いいや。退け、野間。……殺す」



低い声を打ち付けたシドに、野間は冷静に答えた。



「ダメっす。Z地区のガキが集まってきてる」

「蹴散らせ」

「シトウ側の到着は10分遅れる」

「………」

「あとは、僕が」



野間がそう言うと、シドは開きかけた口を閉じた。

やがてペッ、と血の混じった唾を吐き捨てると、


「………」


その赤黒く光ったような鈍い瞳を、やっと私に向けた。


「………」


シドが、一歩。

また一歩と、こちらに近づいてくる。


私は目を逸らすことが、できない。


声も上げられず、動けないでいる私の手前では。

千景と野間の交戦が静かに始まっていた。


野間はシドの歩む道を拓くように。

千景を殴り、彼に殴られている。



そんな彼らを尻目に、やがて目の前に立ったシド。

私の身体は、恐怖でガタガタと震えだす。