程なくのことだった。
玄関の開く音がしたと思えば、
――ドタドタドタドタッ!と、一気に近づいてくる足音。
なんだなんだ、と身構える暇もなく、
――バンッ!!
寝室扉が、勢いよく開け放たれた。
「カナコッ!!」
滑り込むようにして扉の前に立っていたのは、
「……リンコさん?」
リンコは部屋に入るなり、ベッドに飛び込むように私を抱きしめた。
「大丈夫!?」
「だ、だいじょ……」
「何やってんのよアンタッ!」
「しんば……」
「心配かけんじゃないわよッ!」
まくしたてるリンコ。
私は少し笑って、大きな背中に腕を回そうとした。
だけど、その腕は呆気なく空を切る。
「病み上がりだから」
眉間に皺を寄せたユキが、リンコの首根っこを掴んで私からベリッと引きはがした。


