余所者-よそもの-【 3 】



それは突然。

玄関からだった。


――ドン!と重たい音が、響く。


何かがぶつかったような物音に千景と私は目を見合わせた。


「………」

「………」


千景は静かにお箸を置き、音もなく立ち上がった。

足音を殺したままキッチンへ向かうと、目の前にある共用廊下に面したすりガラスの窓を少しだけ開ける。


「――――……!!」


外から声が聞こえてきた。

デックの声だった。


うめき声のような、言葉にならない声。


千景はすぐさま窓を閉じると、こちらにやってきた。


「……なに?」


音を立てない千景に、声を潜めて尋ねた。


「………」


千景はすぐには口を開かない。


「………」


心臓が徐々に早くなる。

その顔色だけで、何かが起きたのだとわかる。


千景が私の腕を引いた、と思った瞬間。

立ち上がる間もなく、私はすくい上げられるように千景の胸の中に横抱きにされていた。




「きた」