余所者-よそもの-【 3 】



……ユキがあの場所に助けに入ったあと。

どうやって、ここへ戻ってくることが出来たのか。


きっと私が傷ついていない分、ユキが傷ついてしまったのだと思う。


「なに?かぁこ」

「ユキさんは……痛くないですか」


ユキの頬の傷に手を伸ばす。


「………」


けれど、ユキはやっぱり嫌がって、顔ごと逸らして私の手から逃げた。


こんな風に、何度か。

口に出したり、視線を向けたりして、ユキの顔の傷を確かめようとしたけれど。

その全てははぐらかされ、頑なに拒否された。


触れられたくない、ってことだ。


私の傷や、この身体の不調の全ては、こんなにも手を尽くしてもらっているというのに。

なのに。


ユキの傷は、私に触れさせてもくれない。


「ごめんなさい」


ただ謝ることしかできない自分が、とても悔しかった。



私たちの間に沈黙が流れる。

すると静寂を割るように、インターホンが鳴り響いた。


ユキはベッド脇から立ち上がり、寝室を出て行く。