余所者-よそもの-【 3 】



目を覚ますと、私は千景の腕の中にいた。


眠ったときは、私の身体に収まるように小さくなっていたはずなのに。

今は、まるで何かから守るように私を包み込んでいる。


千景の顔を見上げれば、泣き腫らした目の下が真っ赤だ。

やがて彼の瞼がピクリと動き、声をかけた。


「おはよう」

「………」


千景はこちらを見下ろしながら、ゆっくりと瞬きをする。


「おはよ……」


小さく呟いて、安心したようにもう一度目を閉じた。

私を抱きしめる腕に、少しだけ力が込められる。


「千景、ごはん食べよ」

「うん……」

「何食べたい?」

「んー。おにぎり」

「じゃあ、お米炊いてくる」


緩んだ腕の力。

私は一人起き上がり、キッチンへ向かった。