「みぃんな、誤解してる」
「………」
「地下の売人は、死神なんかじゃない。掃き溜めにいる俺らにとっては、――最後の希望」
……希望?
「地下の売人は、俺らを死なせないから」
「死なせないって……」
「Z地区に集まった人間はそもそも全員バグってるからぁ。自分勝手やると、あっさり死んじゃうからねぇ」
「………」
「だから、死にかけた俺らと薬を管理して、ギリ生かしてくれる」
デックはそう言って、「まぁ、口癖は『死んで』なんだけど」と笑う。
最低最悪のZ地区。
タカが死んだ場所。
ドラッグで人が壊れていく場所。
そんな場所で、死なせないために住人と薬を管理している……?
「………」
もし、タカが生きていれば。
私はどんな風にシトウで生きていただろう。
シドやユキとはどんな風に関わって。
それにAnBarではどんな風に生活をしたかな。
そんな、たらればが頭をよぎる。
――いけない、と都合のいい妄想を遮断した。


