余所者-よそもの-【 3 】



私は何度も、脱走を試みた。


千景がお風呂に入っている隙。
千景が眠りについたあと。

けれど、窓も部屋の内鍵も全部ロックされていて、千景じゃないと開けられない。


だったら、せめて。

余計なことは言わないから、スマホで一言、ユキやAnBarのみんなに『無事』だと連絡するくらいはさせてほしいとお願いしたけれど、それも拒まれた。


電波を拾われると居場所が誰かに特定されてしまうかもしれない、という理由だった。

スマホの電源を入れたのは無言電話の証明のための一度きりで、あれが最後。


そもそも千景が私の居場所を特定できたのも、私のスマホのデータを抜き取って解析したと言っていた。

普段よく居る場所をマークして、あとはひたすら人を張った、と。



千景は私の前だと子供っぽく幼いけれど、地下の売人。

裏社会の人間であることは変わりなかった。