「かぁこ」
「………」
「これから、この街は争いになる」
近い未来じゃない。
もう、始まるんだ。
シトウとの争いが、もう、すぐに。
「だから」
「………」
「決着がつくまでの間だけ、お前は遠くにいけ。誰かひとり安心できるヤツをお前に付ける。場所は俺たちしか知らないところにする」
「………」
「争いが終わったら、俺が必ずお前を迎えに行く」
「……え?」
――待って。
「私だけ、遠くに?」
ユキの深い瞳が、私を包む。
その瞳は『もう決めた』って言ってる。
私はその視線から逃げるように、皆の顔を見た。
「………」
「………」
「………」
千景も、潤も、リンコも。
みんなみんな、元から知ってたみたいに黙ってる。
なんで?
どうして、勝手に決めちゃうの?


