「それでも、頭数だけならシトウの方が断然多いけどね」
「それは……露天街とZ地区を合わせても?」
「うん。それだけシトウはデカい」
楽観視はとてもできない。
千景は落ち着いた声で続けた。
「ましてこっちは急ごしらえの連合だ。対して向こうはこの街に根を張ってる組織。人数だけじゃなく、組織としての練度だって違う」
「じゃあ、シトウに勝つのは厳しいってこと?」
「普通にやり合えばね」
千景はそう言って、ユキを見た。
ユキは視線を受け取り、口を開く。
「だからこっちから仕掛ける」
「……え?」
「守りには入らない」
ユキは意志の宿った力強い瞳で、続ける。
「人数では勝てない。だったら先に動く。こっちが闘う場所も順番も全部決める。こっちのペースに引きずり込む」
……じゃあ。
この状況で私を外に出したのは。


