余所者-よそもの-【 3 】



「露天街は商売人から成る組織だ。金に聡い」

千景が補うように話しだす。


「これまでは、シトウに従っていれば自由に商売ができた。だからシトウには逆らわなかった」

「………」

「でも今は違う。シトウに従わなくても、僕らと商売してれば金になる」

「……だから、ユキさんや千景の方に?」

「そういうこと」


――『規律ある露天街にZ地区のストッパーの役割を持たせてる。露天街はその恩恵として自由に商売出来るってワケだ』


露天街がシトウに歯向かわないのは、商売を自由にしたいことも理由の一つだった。

その商売自体が、Z地区と露天街で完結するなら、シトウの顔色を窺う必要もなくなったってことかな。


千景はユキを親指で指しながら、続けた。


「新しく何かを作ったんじゃない。元からあった繋がりに、コイツの腐り余ってた金が上手くハマっただけ」


Z地区と露天街の勢力がこちら側に……。

そうなると、これまで複雑だった街の勢力は、とてもシンプルだ。


大きく分ければ、シトウと。それ以外。

街の勢力は、そんなふうに二つに割れ始めている。