Z地区と……千景と争ったことは、ユキから聞いていた。
「抗争の結果、ユキとチカは手を組んだ。そうなるともう、一人ずつ露天街を買う必要がなくなって、露天街の人間がこちらに協力するようになった」
「……どうしてですか?」
「金の使い方を変えたんだよ。一人ずつ雇わなくたって勝手に人が集まる仕組みをつくった」
「仕組み?」
「元々、Z地区と露天街は取引がある。ユキはそこに自分の金を流した」
「………」
「Z地区に金が入れば、露天街との取引も増える。そうすりゃ露天街も儲かる」
「………」
「『ユキに協力すれば儲かる』って話が勝手に広がって、今じゃ露天街の商人のほとんどがこっちに協力的だ」
……どういうこと?
考え込む私に、潤が軽く笑う。
「まぁ、今やZ地区と露天街が味方だと思えばいい」
シトウ、Z地区、露天街。
シトウの三本足の中で、Z地区と露天街は取引が頻繁に行われていて、関係だって良好だと聞いていた。
――『Z地区も、露天街には手を出さない』
――『関係良好。利害関係が一致してる。いろいろと品々の取引があるらしい』


