余所者-よそもの-【 3 】



そこで千景の冷静な声が割り込む。


「ソイツの言う通り。紫藤のところからママを連れ出してから、今日まで。シトウに目立った動きこそない。でも、コソコソとこちらの動きを探るような尾行や監視は入っていた」

「………」

「間違いなくシトウは、ママを探してる」


私の存在はシドやシトウから忘れられたわけじゃない。

私を探している。


だから今日、私が外に出て、人の目に触れたことで。

この静かなにらみ合いが、終わるかもしれないってことだ。


だけど、そうなると。

「どうして……」


私は隣にいるユキを見た。


「どうして、私を外に出しちゃったんですか!?」


シトウの狙いをわかっていたのなら。

私をずっと隠して、閉じ込めておけばよかった。


声を荒げた私に、ユキは表情を変えない。

その代わりに、ソファの上に置いた手を、そっと上から重ねて握った。



「俺はお前を、誰にも取られないように閉じ込めておくつもりはない」

「だけどっ」

「………」

「お前がこの街で、普通に暮らせるようにしたい」


重なった手に、ぎゅっと力が込められる。



「だから、シトウを潰す」