静寂の中、みんなの視線だけがちらちらと行き交う。
私へ。ユキへ。千景へ。潤へ。
誰かに集中したかと思えば、また散って。
やがて行き場を失くしたように、大半の視線がテーブルへ落ちた。
「一旦、俺から話すぞ」
やがて役割を買って出たように口を開いたのは潤だった。
「まず、多分カナコちゃんが一番気にしてるところから」
街は、どうなってるのか。
シドからは、私が離れればAnBarを潰すと……そう言われていた。
「結論から言えば、シトウは今のところ俺たちに何も仕掛けてきてない」
「……何も?」
「AnBarへの報復もなければ、ユキやチカ、俺らも全員、個人的な接触すらない」
「………」
「シトウは静かなんだ。奇妙なくらい」
何も、起きていない……。
「ただ、それも今日までかもしれない」
潤のその言葉に、私は顔を上げた。
「……どうして、今日?」
「カナコちゃんを、外に出したから」
――私が、外に出たから……?


