余所者-よそもの-【 3 】



中に入り、エントランスを抜ける。

透明の防音壁の向こうには、壁面を流れる水と、懐かしい青いライト。

表の電子看板は消灯していたのに、店内はすっかり開店仕様の灯りがともっていた。

L字の角を曲がれば――……


「とっとと準備しろよ、サンコン。もうカナコちゃん来るぞ」

「やってます。ほらバンくん、早くテーブルを動かしてください」

「だって!チカさんとデックさんが退いてくれねぇんだ!」

「チカ様ぁ。俺ぇ、腹減りましたぁ」

「そこのもじゃ口ピアス。先に飯出せ。僕も腹が減った」


フロア中央のテーブルに座る千景とデック。

その周りに立ち尽くす、サンコンとバン。

カウンターのチェアに掛けて、四人を冷ややかな目で見つめる、潤とユキ。


騒がしいフロア。

ボケっと突っ立ったまま動けないでいると、リンコが私の前に立った。


「ちょっと!用意しておいてって言ったじゃない!」

リンコが怒声を上げれば、全員がこちらを振り向いた。


「まったくもう……」

リンコはそう呟くと一歩退き、私の両肩を掴んでグイ、とみんなの前に出した。


「主役。来ちゃったわよ」

集まったみんなの視線が、くすぐったい。