余所者-よそもの-【 3 】



やがて、車はパーキングに到着。

そこは私も良く知っている場所。


――AnBarの近所のパーキングだ。

トウジは、ユキの車の隣に駐車した。


「リンコさん。今日連れてってくれるところって……」

「アンタにとって一番の『素敵な場所』は、一つしかないでしょ」

「……うん」


私はリンコとトウジに挟まれて、パーキングからAnBarまでの道を歩く。

すると、違和感がした。


「……この通り、ずいぶん人が増えましたね」


以前よりも人通りがかなり多い。

「人っていうか……」

リンコがそう口を開いたタイミングで、通りの人間がこちらに向かって頭を下げた。


……なに?

まるで、目上の人間への挨拶だ。


「あれ。ユキちゃんの指示で動く、見張りよ」

「見張り?」

「街中、いくつも地点を決めて見張りを置いてる」


「………」

そう言えば、家を出る前。

リンコはユキに頼んでいた。

――『アタシたちの行先を伝えるから、地点の見張りを移動させて』


「どこから変なヤツが湧いてきたとしても。AnBarや、アンタに手が届く前に対処ができるように、ユキちゃんが全部計算して護衛網を敷いてる」

「ユキさんが?」

「アンタがいない間、ユキちゃん頑張ったわよ。露天街にZ地区。それから、シトウの一部の人間も巻き込んで」


通りを歩くたび、すれ違う人々がこちらに首(コウベ)を垂れる。


私が離れている間に。

――この街で、何かが大きく変わっていた。