「誰より強いし、仲間に慕われていた。誰も考えつかないことを平気で何でもやる。カッコよかったよ。誰もがその背中に憧れてついていった。でも、だから……」
周囲が男としてのリンコに憧れれば憧れるほど。
リンコは言えなかったんだ。
「だから、俺たちのことも全部切って。 男だった自分を知ってる人間がいない場所で、生き直したんだろうな」
そう話すトウジの表情は、少し悔しそうだった。
関係を切られたことを恨んでいるんじゃない。
リンコにそうするしかないと思わせてしまったことを、悔やんでいるように見えた。
「……今のリンコさんを見て、驚きましたか?」
「うん。正直言って驚いた。でも」
「………」
「見た目はあんな変わったくせして、中身の方は何一つ変わってないことの方が、驚いた」
そう言ったトウジはもう笑っていた。
「リンコさんって、昔からあんな感じですか?」
「そうだな。勝手だし、人の話は聞かない」
「確かに、いつも強引です」
「でも、アイツのやること為すこと全部、身近な誰かのため」
うん。
だからリンコの強引さはいつも温かい。


