余所者-よそもの-【 3 】



……リンコが、私のために。

でも。


「どうして、10年も離れていたんですか?」

「アイツが一方的に俺を切った」

「……切った?」

「高校を卒業してすぐのことだ。当時、アイツの周りには大勢の仲間がいた。俺もその内の一人。それが急に連絡を取れなくなった。俺だけじゃない、全員だ。家に行ってもいない。どこに消えたか、行先だって誰も知らない」

「………」

「アイツは何も告げず、何も言わず、人知れず俺たちの前から消えた」

「なんで……」


リンコは人を大切にする。

仲間を、何よりも大切にする人だ。


いつか、最高の店を造りたいと話してくれたときだって。

――『スタッフが幸せじゃなきゃダメ』
――『金を生むのは金じゃない。夢を持った仲間よ』

そんなリンコが。

何も言わずに、大切な仲間の前から消えた。

どうして……。


「多分、俺たちには言えなかったんだろうな。――女になりたいって」


その言葉に、顔を上げた。


「男だったアイツに、俺も、俺の周りもみんな憧れてたから」

「憧れ……?」

「俺ら、族をやってたんだよ。若気の至りってヤツ。アイツはそのトップ」

「族、ですか。リンコさんが?」


しかも、トップってことはいわゆる総長ってやつだ。