余所者-よそもの-【 3 】



「ったく。そそっかしい」


そう呟いたトウジの声は、やっぱり親しみが込められている。

私はずっと気になっていたことを尋ねることにした。


「トウジさんは、リンコさんと長いお付き合いなんですか?」

「長いよ。ガキの頃から一緒。けどまぁ、ここ10年は会ってなかったけどな」

「10年も?」


それは、ずいぶんと長い。

喧嘩でもしたのかな。


「再会したのは、最近ですか?」

「うん。君が姿を消したときだよ」


その言葉に、私はトウジを見た。

トウジは眼鏡の奥の瞳を柔らかく下げた。


「突然連絡が来たんだ」

「リンコさんから?」

「ああ。10年ぶりの連絡。どんな大層な用件引っ提げてくるんだって思うだろ?」

「………」

「アイツ、開口一番『喧嘩を手伝え』って。どうしても、君のことを助けたいからって」

「私……?」

「ふざけてるよな。10年ぶりだってのに」