「見てよ、トウジ!」
店内を出ると、リンコに持たされた荷物を両手いっぱいに抱えたトウジが待っていた。
「アタシのカナコ。可愛いでしょ!」
トウジは私を一度見て、ふっと目を細める。
「うん。元々可愛い子だと思ってたけど、もっと可愛くなった」
「………」
そんなにストレートに褒められてしまうと、照れてしまう。
「でもお前。少しばかり化粧が濃くないか?」
「全然。今日はナチュラルメイクよ」
リンコの言う通り。
前回の劇団メイクに懲りていた私は『ナチュラルがいい』とお願いした。
それでも普段のメイクより濃い仕上がりになったけれど、前よりは薄め。
「さ。次行くわよ、二人とも!」
「……え?もう買い物は終わったんじゃ……」
「せっかくおめかししたのに、このまま帰すわけがないじゃない!」
リンコは私の手を引き、ズンズン歩きながら「ふふふ」と笑う。
「行くわよ!『素敵な場所』に」
素敵な場所……?
けれどリンコは、すぐに足を止めてしまった。
「あ、トウジ。駐車場どこ?」
「わからないクセに前を歩くな」
呆れたトウジに先導され、ショッピングモールを後にした。


