一通り買い物を済ませ、買ったものをそのまま身につけて。
店内の全身鏡の前に立つ。
「可愛いわ。カナコ」
「………」
――鏡に映った、自分。
綺麗に整えられた髪。
ぽっと柔らかく色づいた頬。
リンコが選んでくれた、春らしい服と靴。
そこには、傷も、薬も、病院も。
何も知らないような私が立っていた。
「……リンコさん」
「なぁに?」
「ありがとう……」
ずっと、元気になることばかり考えていた。
身体のこと、眠ること、食べること。
そんな私が、今日。
……やっと、普通の女の子に戻れたような気がした。
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