余所者-よそもの-【 3 】



――そんなことを、数日繰り返した。


慣れとは恐ろしいもので、私は彼に口出しをするようになった。

見るに見かねてしまった。


「スプーンは下から持った方がいいよ」

「これじゃ食べにくいよ」

「慣れないだけじゃない?」

「食べにくいー」

「やってみればいいのに」

「じゃあ、やってみる」


普段、会話はあまり成立しないけれど、「こうやって」と言えば、案外と言うことを聞いた。


「このおかずはお箸のほうが食べやすくない?」

「僕、お箸使わない派」

「そんな派閥ないから。使えないの?」

「スプーンとフォークがあったら困らないし」

「困らないだろうけど、食べこぼしが酷いよ」

「拭けばよくない?」


「千景、自分で拭かないじゃん」



気付けば私は……彼のことを名前で呼んでいた。