「初めまして。カナコちゃん」
見た目とギャップのある、とても人の良さそうな柔らかい声。
その人は、滑らかに車を発進させる。
「俺はトウジ」
「はじめまして」
「ずっと君に会いたかったよ」
……会いたかった?
「あの、」
シートに前のめりになると、リンコの声が割って入ってきた。
「トウジはね、アタシの腐れ縁。顔面は怖いけど、いいヤツよ」
「腐れ縁とは、酷くないか?」
トウジは、リンコの古い友人のようだ。
「護衛網が動いたな」
「ええ。ユキちゃんに動かしてもらった」
「上手くいってよかった」
「多少は丸くなったみたいね」
「お前が事前に話していればこうなってないだろ」
「ああいう男はね、考える隙を与えちゃダメなのよ」
「振り回される身にもなってみろ」
ずいぶん親しい仲みたい。


