それは、とある昼下がりのこと。
「かぁこ」
「なんですか?」
「今日、体調どう?」
「元気ですよ?」
どうしたんだろう。
ずっと私を見てるユキが、改めて体調を尋ねるなんて珍しい。
「……どうしたんですか?」
「外、出られそう?」
「外?」
外出は、これまで近所のお散歩がてらのスーパーへの買い物くらい。
それ以外はほとんどマンションから出ていない。
思わず、胸が弾んだ。
「出たいです」
「そうか」
ユキは体温を確かめるように、私の頬にそっと手のひらをあてる。
「じゃあ今日――」
――ピンポーン。
ちょうどそこでエントランスのチャイムが鳴った。
「………」
「………」
ユキは言葉を止めたまま。
私から離れ、インターホンへと向かうと、ピ、と開錠をして戻ってくる。
「誰ですか?」
「……リンコ」


