「じゃあ、かぁこ。俺行ってくるから」
「あ……はい」
「アイツが変なことしたら家から追い出せ」
すると後ろから、千景のうんざりしたような声が飛んでくる。
「変なことなんかするか」
「………」
「いい加減安心しろよ。毎度毎度、鬱陶しい」
千景はそう言い返し、「……ねむ」と独り言を零すと、続けて。
「ママ。一緒に寝よ」
なんてことのないようにそう言って、私に手を伸ばす。
千景からすれば一緒に寝ることは『変なこと』じゃない。
でもユキからすれば、そうじゃないようで。
「――やっぱりお前っ……出ていけ!」
「ヤだね!」
価値観の相違。
怒ったユキが千景をソファから引きずり下ろし、千景は必死にソファにしがみついていた。
「………」
やっぱり、とっても仲良しな気がする。


