余所者-よそもの-【 3 】



千景と一緒にリビングに入る。


ユキは先にテーブルに戻り、黙々と朝食を食べていた。

千景は遠慮なくその向かいに腰かけると、早々に喧嘩を売る。


「なんだ、お前いたんだ」

「俺の家だ」


……平常運転。

変わらない二人に、なんだか安心した。


私はキッチンで千景の食事を用意して、テーブルへと戻った。

コトリ、と目の前にお皿とお箸を揃えて置けば、千景は「げっ」と声を上げる。


お箸はまだ、克服できてないらしい。


「千景、中指忘れてる」

「中指ってこう?」

「そう。でも人差し指が違う」

「もうヤダー。普通に食べたい!」


すっかり拗ねた様子の千景。


「じゃあ箸を使うな」

ユキが、千景の手からお箸を取り上げた。


「返せよ!」

「俺の家の箸だ」

「飯食えないだろ!」

「手で食え」


お箸を巡って、ぎゃあぎゃあと喧嘩が始まった。