余所者-よそもの-【 3 】



私たちは一緒に映画を見ることにした。


「どんなのがいい?」

「怖くないのがいいです。あ、でも眠れそうな感じの」

「難しいね。……あ、でもこれは?」


ユキが選んだのは、静寂の海の中を延々と魚が泳ぎ続けるだけの、ドキュメンタリー映画だった。


「……これ、面白いですか?」

「わからない。でも面白かったら眠れないだろ」

「たしかに」


画面の中では、深い青の世界を鮮やかな魚の群れがゆったりと横切っていく。

耳に心地いい、静かな音楽。

微かに響く波の音。

時折入る、落ち着いたナレーション。


「………」

……眠れそう。


ユキが私を抱き上げたのは、眠りに入る寸前だった。

きっともう眠ったと思ったんだろう。


ユキの腕の中が心地よくて。

眠ったフリをしたまま、寝室まで運ばれることにした。